愛の最中

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(あ~付き合いたい。どうやって告白しよう) 俺の名前は高岡孝洋(たかおかたかひろ)。 俺はいつも学校へ行く時、好きな女の子に告白しようと考えていた。 だけど、恥ずかしくて、中々言えなかった。 夏焼莉莎子(なつやきりさこ)……俺が恋した女の子。 彼女の事を考えると胸が締め付けられ、ドキドキする。 これが… 恋… 初恋なのか。 高校1年の11月のある月曜日。その日は珍しく早く起きた。いつも起きても1番行かないポストを俺はリビングから見た。 リビングの時計は午前6時30分だった。 (…………) その月曜日はなぜかポストが気になった。 (新聞取りに行くかー……) 半分寝ぼけ眼で欠伸して、俺は朝刊を取りに行った。 ポストを開けると俺宛の封筒が届いていた。 (なんだろう?) 饅頭やちょっとしたお菓子が入りそうなピンク色の封筒だった。俺はそれを手に取った。 (差出人は不明……) 差出人不明の俺宛のピンク色の封筒。 俺は一瞬手に取るのを躊躇しようとしたが、ピンク色の封筒の真ん中辺りがちょっと膨らんでいるのに気づいた。 (……なんだ?) 俺はピンク色の封筒を手に取った。 そして、真ん中辺りを触った。 (……ちょっと固い?ん?甘い香りがする?) 俺はこの甘い香りがする物が気になったのと同時に誰かのいたずらかと考えた。 (……誰かのいたずらにしては手が込んでそうだな。) 俺は色々考えながらピンク色の封筒を持って自分の部屋に行った。 そして、自分の机の椅子に座り封筒を開けた。 中には、ティッシュペーパーに包まれていた最中と何枚にも折られていた説明書らしきものが入っていた。 説明書を読むと 『愛の最中』 これを女子が食べるとあなたに惚れます。 ~使用方法~ ・『愛の最中』を全部食べてもらう。 ・10分待つ。 ・10分後、女子の目を見る。 これであなたに惚れます。 と書かれていた。 (ほ?え?はい?) 普通なら差出人不明のティッシュペーパーに包まれた最中にあやしい説明書、あやしすぎて、ごみ箱行きだけど、俺は頭がこんがらがったっと同時にこの最中を大好きな夏焼さんに食べてもらえばっと思った。 そう思うと、あやしさなんか一切考えなくなり、気分は最高潮になった。 そして、夏焼さんと付き合えると思うと、だんだんと嬉しさが舞い上がり 思わず 「きたーー!」 っと叫んでしまった。 (これならいける!夏焼さんに食べてもらって告白すれば………) 俺のテンションはバク上がりで天にも舞う思いだった。 「朝からなんかあったんかい?」 俺の大きな叫びに下のリビングにいたおふくろが大きな声でリビングから聞いてきた。 「な、何でもない!」 俺は少し冷静になり、もう一度説明書を読みながら、夏焼さんにどのようにして食べてもらうか考えていた。
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