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「たかちゃん!一緒に行こうよ?ねぇ?」
愛はしつこかった。
(……まだ時間あるし、ちょっとだけ話すかー)
俺は愛に根負けして、愛とちょっとだけ話すことにした。そうすれば、愛から解放されると思ったからだ。
「……俺は忙しいから、一緒に学校に行けない!今日はちょっとだけ、話すだけで許してもらえないか?」
「……わかった!ありがとう。たかちゃん!!」
愛は嬉しそうに俺にお礼を言った。
「愛……高校はどうなんだ?」
「女の子がいっぱいいて楽しいよ!」
………
「……女子高だから、女子しかいないだろ!」
「あっ……そうだった!」
………
俺は周りを見ながら、愛と話していた。
いつ夏焼さんに見られるか分からないからだ。俺は愛と話しているとある事に気づいた。
愛がどことなく寂しいそうだった。っと同時に何か待ってる気がした。
(……学校一緒に行きたいんだなー。はぁ……)
俺は愛が寂しそうにしたり、悲しそうにしたら、愛が笑うように元気になるようにしてきた。幼馴染みだからじゃなく、何となく小さい頃から一緒に遊んだりしてたから、愛の事を友達として大切にしていた。
「愛……学校行くぞ!!」
「え?いいの?忙しいんじゃないの!?」
「途中までな!あの突き当たりまで!!いいよな?」
「うん!ありがとう!!」
愛は嬉しそうに返事した。本当に嬉しそうだった。
俺は夏焼さんに見られないことを祈りつつ、愛と学校へ向かった。
暫く愛と話しながら歩いていると
「たかっち!おはよ~」
と後ろから聞こえた。俺はいつものように後ろを振り向いてしまった。声をかけてきたのは同じクラスの須賀屋都美だった。しかも、その隣には夏焼さんがいた。
(……終わった。)
すっ
俺は愛から少し離れた。
俺は近づいてくる須賀屋と夏焼さんに
「おはよう!」
っとこの状況で精一杯の笑顔で言った。夏焼さんがいるからだ。
須賀屋が俺と愛の所に早々に
「二人でなにしてんの?」
須賀屋は何かを疑っているようだった。
「べ……べつに何もしてないよ。」
「あれ~?隣の子は彼女?たかっちもすみにおけないなぁ~」
須賀屋はいきなり誤解を招くような質問を直球で聞いてきた。
(すがや~!夏焼さんに誤解される事を聞くな~!!)
俺は心では焦りながら冷静に
「彼女と違う!!知り合い!!」
っと須賀屋の質問に否定した。
俺は夏焼さんが誤解してないか気になって、夏焼さんの表情を見ようとした 。
「あっそ~。じゃ~二人の邪魔したらいけないから、先行こう~!りさこ~。」
須賀屋と夏焼さんが学校へ行こうとした。
「ま……待って!」
俺は学校へ行こうとした二人を呼び止めた。
あれを使うのは今しかないと思った。
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