愛の最中

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……今朝見た説明書には注意書きが書いてあった。 ~使用上の注意~ ・この商品の効き目は商品が届いた日の午前8時までとなってます。 ・午前8時を過ぎて使用しても効果はありません。 ・あなたが好きな女子に使用してください。好きでない女子に使用しても効果はありません。 ・男子に使用しても効果はありません。 俺の腕時計の時計は午前7時48分だった。 今しかないと思った。 「な……夏焼さんにプレゼントがあるんだ」 俺はカバンの中から最中を取り出している時に朝考えた作戦を思い出していた。 (……然り気無く、出して夏焼さんに見せる。親戚が送ってきた最中で日本一美味しいらしいって言う。次食べれるのは……) 「え!!プレゼント?何だろう?」 「はい!」 俺は小さな最中が一つ入る箱を夏焼さんに見せた。 「!?」 愛はその箱を見て驚いていたが俺は気づかなかった。 今朝、部屋中探して唯一見つかった箱だった。時間がなかったので、プレゼントみたいな着飾っていなかった。 「え?これって……」 「じゃ~ん!最中で~す!!し……親戚が美味しいって言って送って来たんだ」 「も……もなか??」 夏焼さんは困惑していた。 「たかっち~1個だけ?普通、もっと大きな箱でしょ!!」 「か……家族がほとんど食べたから、これしかないんだ!」 俺は咄嗟に嘘をついた。 差出人不明からもらった最中って言ったら、食べてもらえないのはわかっていたからだ。 「はい!最中!!」 俺は夏焼さんに最中を渡そうとした時 「あ~!愛の好きな最中!」 と言って愛が最中を俺から取ろうとした。 「ば、ばか!?」 俺はとっさに手を上げた。 その時、勢いあまって、最中が手からこぼれた。
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