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次の日、いつも通り起きた。
リビングに行き、ポストを見た。
(………まさかね。)
俺はちょっと期待しながら、玄関を出てポストの中を見た。
(……ないかー。そうだよな。)
俺はまたあの最中があるんじゃないかと思った。だけど、ポストには俺宛の封筒はなかった。
あんな最中に頼らず、夏焼さんに告白してやるって強く思い、家に入った。
朝御飯を食べていると
「………」
「あんた!今日は何も話さないね?何かあったのかい?」
っとおふくろが聞いてきた。
「何もないよ!!」
俺はちょっと機嫌が悪そうに返事した。
そして、朝御飯を食べ終えると、歯磨きをし、寝癖を水で濡らして整え、いつも通りに制服を着て家を出た。
俺は昨日の最中落下事件以降、気分がすっきりしない。愛を許してない訳じゃなかったけど、何かモヤモヤしていた。謝って欲しいとかじゃなく、なんか、なんか、、、、。
そう色々思っていると、昨日愛とあった電柱に着いた。
(……まだ、少し早いかー。)
俺はその電柱に背を向けて、愛を待った。
待ってる間、目の前には中央高校や西中央高校に通う生徒が歩いていた。
東中央高校は俺が通う中央高校の反対側にあった。
ここから東中央高校に行くにはこの先の突き当たりを右に曲がり迂回する必要があった。
(……愛遅いなー。)
俺は腕時計をしきりに見ていた。
「たかっち!おはよう!」
愛を待ってると、須賀屋が俺が歩いてきた方向からあいさつをしてきた。
隣には夏焼さんがいた。
「おはよう!」
俺は元気よくあいさつした。
夏焼さんに良く思われたいからだ。
須賀屋が俺に近づき
「昨日の女の子いないね~?知り合いかな~?てか、昨日の最中なに?いたずら?」
っと色々聞きたそうな感じで聞いてきた。
「……あの娘は中学の知り合いの女の子で……」
俺はいきなり聞かれたくない事を聞かれてたじたじだった。
「みや!高岡くん!早く行かないと遅刻するよ?」
「りさ!まじ!?たかっち!行くよ~」
須賀谷は夏焼さんと少し小走りで先に学校へ向かった。
俺は周りを見渡した。
愛がいるかもしれないと思ったからだ。
だけど、愛はいなかった。
(さすがに今日はいないか……。昨日、けっこうきつく言ったもんな。明日になったらまたいるだろ!!)
今日、愛はここには来ないと思って、須賀谷と夏焼さんを追いかけて、三人で学校へ向かった。
……学校から帰宅して自分の部屋のベッドに横になっていると、なぜわからないが、俺は小学生の時、愛と最中を取り合ったことを思い出した。
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