プロローグ

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ーーーダイスケ。私たち、別れよ? ーーーイヤだよ。何でカナと別れなくちゃいけないの? ーーーだって、私浪人しちゃったもん。 恋愛なんてしてる場合じゃないでしょう? ーーーじゃあ、1年待ってる。 1年経ったらまた元通り付き合おうよ。 ーーーいいよ。待たないで。 ーーー何でそんなこと言うの? ーーー大学に行けば私より頭良くて、可愛い子がいっぱいいるもの。 私なんか待つ必要ない。 ダイスケならすぐに新しい彼女出来るよ。 ーーー僕は新しい彼女なんていらない。 ーーーごめん。本当にもうムリなの。 ーーーねえ、カナ……! 強引に切った電話。 強引に告げた別れ。 私はどこまでも自分勝手だ。 でも、こうするしかなかった。 大事な約束を一度だけでなく二度も破ってしまった私に彼のそばにいる資格は……ない。 だってそうでしょ? 中3の春、進学塾で出会った私たち。 すぐに意気投合して一緒の高校に行こうね、って誓い合った。 『同じ高校に通ったら僕たち付き合おうね!』 そう言ったダイスケは、私が同じ高校に進まなくてもはにかみながら告白してきてくれた。 『高校が違ってもいいよ。僕はカナがとても好きになったから。 同じとこに通うのは大学に入ってからでもいいし』 嬉しくて、申し訳なくて、頷きながら大学こそは同じとこに行くって宣言した私。 高校の特別進学クラスに入って、塾にも通って、一生懸命勉強したのに……。 それでもまたダイスケの隣に並ぶことが出来なかった。 そんな私がこれ以上彼を縛り付けるなんて。 出来るわけがない。
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