第6話

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あつ…い。 ――――…ああ、熱い。 カラダが、熱い。  胃の中まで…燃えるように…熱い。 「み―――ず…、欲し…い」 “七海―――…”と自分の名前が呼ばれて、 「ンー…ッ……」 口の中に、何か、―――…入って―――…きた。 あ…、喉が少しだけ、ひんやりした。  水が通っていったんだ。 おいし。 ん……、でもおかしいな。  もっと水が、欲しいのに。 待っても待っても、もうお冷は食道を通らなくて。 かわりに 「七海…、」 また自分を呼ぶ声が上から降ってきた。  誰だろう? 和也さん? ああ、そうか、和也さんだ。  いつもあたしの隣にいてくれるもの。
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