1:ヒロインは、私?

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  「気をつけなよ? 女の子なんだから」 「……ハイ……」 しゅるしゅると、しぼんでいく私の声。 恥ずかしい。てゆーかみっともない。ダサい。終わってる。 落ち込んでいる私に落ちてきたのは、直井くんがくすっと笑う気配。 「じゃ、部活あるから。またね」 「あ、う、うん……! 頑張ってね!」 「ありがとう。じゃ」 絞り出した応援の言葉に、彼は手をあげて応えてくれた。 その姿すら様になる。 本当に、ヒーローみたいな人。 私なんかにも声を掛けたり笑ってくれたりするのは、彼が優しいからだ。 それ以上でも、それ以下でもない。 直井くんにとって、私はただの、圭吾の、幼なじみ。……(仮)だけど。 期待の芽すら生まれない、この状況に、私は溜息をついた。 .
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