3549人が本棚に入れています
本棚に追加
「っ、期待っ、するからね!」
私は圭吾の背中に言葉を投げた。
少しだけ顔を上げたヤツは、それでもまだ振り返らない。
「圭吾が言ったんだから! 期待に応えるって! ……後悔、しないでよ!?」
矢継ぎ早に叫ぶと、「ふ」と笑う声が漏れ聞こえた。
わあ、ひどい。
人の決死の返答を、笑いやがったよコイツ。
でも、いいんだ。
私が勝手に期待するんだから。
もう勝手に決めちゃうんだから。
圭吾が応えてくれるのは、私の気持ちに、だって……勘違いでもそう思い込んでやるんだから。
.
最初のコメントを投稿しよう!