エピローグ、ってやつ?

29/32
前へ
/325ページ
次へ
  「じゃ、じゃあねっ! ばいばいっ!」 言うだけ言って、私は自分の荷物を手にした。 勢いのままに、ばたばたと帰り支度をしてドアに向かう。 けっこう大胆なこと言っちゃったんじゃないかな、私。 恥ずかしくって顔を上げられないよ。 ああもう、また気まずくなっちゃったらどうしよう……! 「……いーよ」 微かに聞こえた声に、動きも思考も止まった。 その言葉の意味を反芻して、噛みしめて、それから……ゆっくり振り返る。 圭吾は笑ってた。 普段は全然笑わない仏頂面のくせに。 意地悪してるわけじゃないって顔だから、言ってることは本気みたい。 本当、に? 本当に、期待して、いいの? .
/325ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3549人が本棚に入れています
本棚に追加