1:ヒロインは、私?

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  「何、じゃないわよ。これ。里美おばさんから」 「……?」 「ちょっと、寝ぼけてんの? あんたが忘れてったんでしょ」 ほら、ともう一度突き出すと、ようやく圭吾はそれを受け取った。 指が長くて細いのは昔からだ。正直うらやましい。 あーあ。ったく、世話の焼ける。 「……毎度、どーも」 「そう思うんなら忘れないでよね」 「……ん」 頷いたんだか、あしらったんだかわからないリアクションを返す圭吾に、また溜息。 ほんっと、こいつってば朝はいっつもこうなんだから。 てゆーか、いつも? テンションも声もなーんかこう、低くって。 朝っぱらから、くっらいヤツー。 .
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