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「何、じゃないわよ。これ。里美おばさんから」
「……?」
「ちょっと、寝ぼけてんの? あんたが忘れてったんでしょ」
ほら、ともう一度突き出すと、ようやく圭吾はそれを受け取った。
指が長くて細いのは昔からだ。正直うらやましい。
あーあ。ったく、世話の焼ける。
「……毎度、どーも」
「そう思うんなら忘れないでよね」
「……ん」
頷いたんだか、あしらったんだかわからないリアクションを返す圭吾に、また溜息。
ほんっと、こいつってば朝はいっつもこうなんだから。
てゆーか、いつも?
テンションも声もなーんかこう、低くって。
朝っぱらから、くっらいヤツー。
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