蘇芳色・・[赤の夢]

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   西暦2XXX年  いつものように  朝起きて  家の手伝いをする  私が住んでいる所は  宮城県の仙台市内の  小さな町にある  小さな教会  外観は普通の一軒家  だけど内装は  十字架と祭壇と  小さなマリア像がある  私は  ここ吉島家の子供ではない  幼い頃、知らない大人に  ここに連れてこられた  この教会の人達は  遠い遠い親戚の人なのだと  その大人の人は言った  教会に来る前の記憶が  無かったからなのか  すんなり  受け入れることができ  教会の人達とも  すぐに仲良くなれた  吉島夫妻は  血が繋がっていないからと  いっても  甘やかすことなく  優しさと厳しさで  本当の親子のように  育ててくれた  そんな私の毎日の日課は  聖堂を綺麗に掃除すること  吉島の伯父さんが言うには  他の人が触れるより  私が触れることで  その場所が清められる、、と  私自身は  何が違うのかは  全くわからなかったけど  聖堂の掃除は楽しいから  ずっと続けてきた  
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