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「お化けとかじゃなくてさ
病院かなって……」
「一人二役してるって意味?」
頷いた瑞穂に
聡は続けて言った。
「まさか!
声色変えて一人二役。
一人でそんな事しねぇだろ」
「でも……
やっぱりなんかおかしいんだもん」
「例えばさ、お化けみたいのだったとして……
いったい、
どこに相談したらいいんだよ」
瑞穂は聡をじっと見つめて首を振った。
「もう少し、様子みてみる。
何かしなきゃいけないと思う。
手遅れにならないうちに」
聡は、頭を抱えた。
「とにかく明日、動物園行ったら
俺も、トオルの事、気をつけて様子みてみるよ」
テーブルに、空いた空き瓶、食べ散らかしたスナック菓子。
「片付けてから寝なくちゃ」
瑞穂がため息をついた。
「あ~!
そろそろ寝るか……
せっかくトオルが、
楽しみにしてるんだもんな。
二人で二日酔いじゃ、
シャレになんねぇよ」
瑞穂は弱く笑ってから
立ち上がった。
「何時に出る?」
「9時、動物園着」
「じゃ、7時半には出なきゃだね。
お弁当下ごしらえしちゃうから、先寝てて!
トオルと約束したんだ。お弁当作るって」
肩を竦めて、瑞穂が舌を出した。
「言って後悔!早起きしなきゃ」
聡は笑って、瑞穂の頭を撫でた。
「ママ頑張れ!」
「了解!!」
瑞穂は、聡にふざけて敬礼をして、キッチンに向かった。
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