4/26
前へ
/397ページ
次へ
「でもどっかに帰り道がさ」 「電車か、バスか? ゼブラ柄のバスに乗ってお出かけだ」 「絡むなよ……あの電車どこに行くんだろう」 「携帯見せて!」 リクが突然。思いついたように言った。 ポケットから、ごそごそと携帯を出してリクに渡す。 手渡された携帯を見てリクが言った。 「この携帯、人前で出すなよ。 明日、携帯なくしたって申請出すんだ。 GPSみたいな機能がついてる」 リクが自分の携帯をテーブルに置いた。 「全て居場所を監視されてる。一年に一度携帯を交換されるんだ。 俺がこっちにきて三日目に携帯を取り上げられたから、今はこれ。」 「でもおかしくないか?リクの携帯はこっちでは存在しない携帯。 交換の時に、向こうが おかしいって思うだろ?」 「俺もそう思った。 っていうかさ俺、言ったんだ。 あっちの世界から来たって。 隠す必要もないって思って」 「そしたら?」 「はい。わかりましただと。」 「つまり、相手にされなかったって事?」 「あ~それで この携帯を渡された。 携帯を交換されるまでの3日間は 一晩中 出口を探し回ってた」
/397ページ

最初のコメントを投稿しよう!

375人が本棚に入れています
本棚に追加