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「でもどっかに帰り道がさ」
「電車か、バスか?
ゼブラ柄のバスに乗ってお出かけだ」
「絡むなよ……あの電車どこに行くんだろう」
「携帯見せて!」
リクが突然。思いついたように言った。
ポケットから、ごそごそと携帯を出してリクに渡す。
手渡された携帯を見てリクが言った。
「この携帯、人前で出すなよ。
明日、携帯なくしたって申請出すんだ。
GPSみたいな機能がついてる」
リクが自分の携帯をテーブルに置いた。
「全て居場所を監視されてる。一年に一度携帯を交換されるんだ。
俺がこっちにきて三日目に携帯を取り上げられたから、今はこれ。」
「でもおかしくないか?リクの携帯はこっちでは存在しない携帯。
交換の時に、向こうが
おかしいって思うだろ?」
「俺もそう思った。
っていうかさ俺、言ったんだ。
あっちの世界から来たって。
隠す必要もないって思って」
「そしたら?」
「はい。わかりましただと。」
「つまり、相手にされなかったって事?」
「あ~それで
この携帯を渡された。
携帯を交換されるまでの3日間は
一晩中
出口を探し回ってた」
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