一、大剣使いと漆黒の獣

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俺は今、樹海に来ている。 目的はただ一つ。 【迅竜】の号を持つ漆黒の飛竜の捕獲。 なのだが… 「ここはどこだ?」 俺の名はアーヴィス・ウォン。 あえて認めよう。迷子であると。 静寂に包まれた樹海の中心にそびえ立つ大樹の、かなり上の方にいるのはわかってる。のだが、いかんせん降り方がわからないので立ち往生している。 「ここから飛び降りるしかないか」 ポッカリ空いた空洞の淵に立つ。 前に一度、下から見上げた事があるので知っている。この穴は地上まで続く穴だ。 確か、ここからしか下に降りる方法は無い。 「…ふぅ。行くか!」 四の五の言ってる時間がもったいない。 俺は底の見えない奈落に身を投じた。
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