墜落

13/19
前へ
/40ページ
次へ
「勝手に来て ごめんね温人さん」 「気にするなって言ってるのに。 送るよ」 「いい。 おやすみなさい」 「……気をつけて」 じっと、深いところまで 見つめてくる瞳に背を向ける 私のしていることを 彼が知ったら あの優しい瞳に 侮蔑の色が乗るのだろうか。 それはとても とても悲しい。 想像するだけで こんなに悲しくなるなんて。 痛む胸に呆然としながら 足だけは地獄へ向かっていた。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1651人が本棚に入れています
本棚に追加