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それはもう年の瀬が迫り、初雪が降り始めた頃だった。
近年のセキシ国には珍しい雪が降るという事態に、国全体がお祭りのような高揚感に包まれていた。
実際は次期国王のバク第一皇子が他国の公爵を娶ったことに便乗しての騒ぎに近いものがあったが、どちらにせよ暗い話題ばかりが続いていた年だったので、何か良いことがあると皆自分たちを励ますかのように笑い合っていた。
そう。暗い話題ばかりが続いているのだ。
特に俺の頭を悩ませる、暗く厄介な問題が。
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