レイラルク王宮最下級兵士 セイル・アレード

5/5

26人が本棚に入れています
本棚に追加
/181ページ
バンッと勢い良くドアを開けた。 中には貴族の子供が一人いたが、俺の顔を見るなり瞬時に逃げ出した。 そんなにひどい顔をしていただろうか。 とりあえず掃除を始めることにした。 初めて入ったが、さすがは貴族専用トイレだ。 細かい彫刻が施されていたり、便器が大理石だったりする。 その割には使い方がきたねぇが。 嫌味なくらい綺麗にしてやるとしよう。 「おーセイル。トイレ掃除か。お前もとうとう堕ちたなグェッ!」 馬鹿にしてきた同期の貴族出身の奴に、俺はさっき床を拭いた雑巾を投げつけた。 「うわっくっせぇよ!こりゃないだろ!」 「知るか。」 彼はトイレで顔を洗った後、雑務 の持ち場へと去って行った。 「どいつもこいつも人の事馬鹿にしやがって!」 ぶつくさ言いながら、俺は掃除に励んだのだった。
/181ページ

最初のコメントを投稿しよう!

26人が本棚に入れています
本棚に追加