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バンッと勢い良くドアを開けた。
中には貴族の子供が一人いたが、俺の顔を見るなり瞬時に逃げ出した。
そんなにひどい顔をしていただろうか。
とりあえず掃除を始めることにした。
初めて入ったが、さすがは貴族専用トイレだ。
細かい彫刻が施されていたり、便器が大理石だったりする。
その割には使い方がきたねぇが。
嫌味なくらい綺麗にしてやるとしよう。
「おーセイル。トイレ掃除か。お前もとうとう堕ちたなグェッ!」
馬鹿にしてきた同期の貴族出身の奴に、俺はさっき床を拭いた雑巾を投げつけた。
「うわっくっせぇよ!こりゃないだろ!」
「知るか。」
彼はトイレで顔を洗った後、雑務
の持ち場へと去って行った。
「どいつもこいつも人の事馬鹿にしやがって!」
ぶつくさ言いながら、俺は掃除に励んだのだった。
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