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部室に行くまでの道のり、多分かなりの間無言だったと思う。
2人とも仲の良い先輩後輩ってわけじゃない。
なのにあんな事があったんだから、話せないのは当たり前だ。
無言が気まずくて、僕から話しかけてしまった。
「あの、今日僕の教室に来たんだってね。何か用だった?」
なるべく昨日の事は考えないで、普通の会話を意識してみたけどやっぱり冷や汗が止まらない。
徹は表情を全く崩さないまま答えた。
「昨日、先輩言ってましたよね。自分は腐男子ってやつで、ホモじゃないって。でもそれってどう違うんですか?ああいう男同士の絡みを見れるってことはホモってことでしょう。普通の男なら気分を害します」
徹の今までにないぐらいの長台詞に頭が付いて行けなかった。
何て返していいのかも分からない。
否定しても信じてくれなそうだし、そもそもどう否定して良いのか……。
男同士の恋愛に萌えるだけであって男と恋愛したいとは思ってないんだよー。とか言っても徹には違いは分からない気がする。
普通の会話を意識しようとしたのに、やっぱり徹は昨日の会話――核心をついてきた。
遠慮も何もないやつだ。
いや、でもあんな秘密を知ったらその核心をつかない方が無理があるか。
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