第1話

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ボールが僕の所に回ってきた。 足で受けとめながら、ゴールの方向を見る。 横目に徹が見えた。 とりあえず徹にボールを回す。 その後、徹がボールを前に進ませ、ゴールに近づかせる。 だがここで、徹は敵の2人に囲まれてしまう。 足を素早く動かせながらなんとか後ろにボールを回すと、また僕にボールが返ってきた。 この距離ならゴールも目の前、シュートを打てる。 「先輩、シュート!」 徹が短く叫ぶのを聞くと同時に、僕は足を振って思い切りボール目がけて蹴ろうとした―― その時だ。 敵のチームの3人が僕に近づき、1人が足を引っ掛けた。 「ぅわっ」 情けない声とともに、僕は地面に倒れてしまった――。 もちろんボールはその3人のうちの1人に取られ、敵側のゴールまでぐいぐい持って行かれた。 こっちのチームはもうゴール出来ると思い込んでいたから、思いがけない展開に対応できず、そのままゴールを決められてしまった――。
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