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ボールが僕の所に回ってきた。
足で受けとめながら、ゴールの方向を見る。
横目に徹が見えた。
とりあえず徹にボールを回す。
その後、徹がボールを前に進ませ、ゴールに近づかせる。
だがここで、徹は敵の2人に囲まれてしまう。
足を素早く動かせながらなんとか後ろにボールを回すと、また僕にボールが返ってきた。
この距離ならゴールも目の前、シュートを打てる。
「先輩、シュート!」
徹が短く叫ぶのを聞くと同時に、僕は足を振って思い切りボール目がけて蹴ろうとした――
その時だ。
敵のチームの3人が僕に近づき、1人が足を引っ掛けた。
「ぅわっ」
情けない声とともに、僕は地面に倒れてしまった――。
もちろんボールはその3人のうちの1人に取られ、敵側のゴールまでぐいぐい持って行かれた。
こっちのチームはもうゴール出来ると思い込んでいたから、思いがけない展開に対応できず、そのままゴールを決められてしまった――。
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