第1話

3/79
前へ
/79ページ
次へ
僕はサッカーが上手なわけでもなく、上手い指導が出来るわけでもない。 元々、サッカー部に入ったのだって、なんとなく「入っていればカッコイイと思われる部活」だからだ。 別に運動が得意ってわけでもなかったのに、人の目を気にしてサッカー部に入ってしまった。 中学では身長が低かったことから(それだけが原因じゃないかもしれない)全くモテなくて、だから高校デビューしようと意気込んだんだけど、やっぱり身の丈に合ったことをしなければ詰む。 だから意欲もなければ向上心もない。 もちろん、素質もない。 そういうわけで、僕はサッカー部の同学年の中でも下手な方で、いつも補欠という惨めなポジションを貰っているわけだ。 徹になめられたって、文句は言えない立場なんだ。
/79ページ

最初のコメントを投稿しよう!

130人が本棚に入れています
本棚に追加