第1話

7/79
前へ
/79ページ
次へ
「ここって……ホモのコーナーですか?先輩、まさかそっちだったんスか」 徹は俯く僕の頭の上で冷やかな声を浴びせる。 でも、もう何もかも終わりだけど、終わりだけど、なんとかこの誤解だけは解かなきゃ。 「ちっ、違うよ。これだけは信じてほしいんだけど、僕、ホモじゃないんだ。僕は……腐男子って言って、その、男性同士の恋愛、とか、見るのが……好きっていうか……。だから、その、僕自身は男性に興味があるとかそういうんじゃなくて……普通に女の子が好きだし」 もう泣きたい。もう泣いてる。 僕は恥ずかしいのと悔しいのとが一気に押し寄せた。 別に、好きなことなんだから恥じることは無いって、理性ではそう思うけどやっぱり皆にこのことがバレたら、多分僕の学校生活は終わるだろうし。 そもそも腐男子=ホモじゃないのに、そういう風に思われちゃうもんなぁ。 徹の返答を待っているが、一向に徹は何も言わない。 だから、僕は恐る恐る徹の顔を見ようと顔を上げた。
/79ページ

最初のコメントを投稿しよう!

130人が本棚に入れています
本棚に追加