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「だから、どうした? みんな日乃元とともに戦ったウルルクの旧王族側だぞ。この国のために進駐官になろうというスリランたちが、あんな汚い手をつかうはずがない」  タツオキが薄く笑った。馬鹿にされた気がする。 「どうかな? ウルルクに残された家族や親戚を人質にとられたらどうだろう。あの国は激しいからな。敵となれば一族郎党、子どもから年寄りまで皆殺しだ」  そんなことが実際にあるだろうか。タツオは納得がいかなかった。タツオキは悠然(ゆうぜん)と続ける。 「ウルルクの大使館にいる保全部員から情報が届いたそうだ。テロのターゲットは逆島断雄(さかしまたつお)、きみと第二皇女の瑠子(るこ)さま。命令したのはウルルクに派遣された氾(はん)帝国の高級武官だ。その男がウルルクの諜報機関を動かした。きみの父上は氾の軍隊にずいぶんと煮え湯を飲ませたようだな。まだ恨みをもっている人間がいる。腹いせにきみを狙ったんだろう」
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