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 大食堂にいた生徒たちが床に伏せるなか、五王龍起(ごおうたつおき)とタツオとジョージはその場に立ち尽くしていた。あまりにも突然の出来事に頭が回らない。 「嘘だろ。スリランは友達だ」  空(から)っぽの声が漏(も)れてしまう。情報保全部員がクラスメートの4人をとり囲み、自動小銃を向けている。日常の学校生活のなかで見る銃は、凶悪な黒い兵器だった。タツオキは愉快でたまらないようだ。 「戦場でもお友達なら、見逃してくれるのか。7班は全員ウルルク出身だ」  タツオはこの少年が嫌いだった。日乃元(ひのもと)有数の巨大企業の御曹司(おんぞうし)ではあるが、嫉妬(しっと)ではないと思う。理由はわからなかった。初めて顔を見たときから、この少年とだけはうまくいくはずがないとわかっていたのだ。いつかそう遠くない未来に手ごわい敵となる、考え方も感じ方も別次元の異質な相手。これまでそんな同世代と出会ったことはなかった。タツオはいい返した。
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