ある晴れた朝

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突然現れた第三者に驚きを見せるも、瞬時に腕を突きだし、反撃に出る獣人 その攻撃を左手で払いのけ、握りしめた切っ先を獣の首もと目掛けて勢いよく突き刺す 粘土層を突き破るようなイヤな感触が伝わるが、気にも留めずに横にいなす 見事に切り裂かれた傷口から噴水の如く体液が吹き出し、振り払った刃を真紅に染め上げる 残されたもう一体が、人間の強襲者を両断しようと爪を振りかざすが、少年はそれを許さない 容赦なく、死骸に回し蹴り 吹き飛んだ死体がものの見事に直撃し、体勢を崩した獣に大きな隙ができる そのチャンスを見逃さず、奴らに急接近 のし掛かる仲間の亡骸を必死に退かす獣人の前に立ち、躊躇うことなく剣を振り下ろす 舞い上がった血飛沫の中を、切り離された頭部が力なく転がる 周囲を確認することなく剣を投げ捨てた少年は、後ろにいるであろう少女達に振り返る
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