世界一不幸な老人の最期

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2095年 12月31日 兵庫県 とある病院の個室で一人の老人が人生を終えようとしていた。 名前は鈴木幸喜(すずきこうき) 病名は肺癌。 しゃべるのもすぐ疲れるくらいに体は弱り医者に問い詰めたところ余命は長くて一ヶ月だという。それが先月の話だ。 老人は最後の力を振り絞り独り言を呟いた。 「僕の人生…は…ほんとにつまらなかったなぁ………。お見舞いにきてくれる人も弟だけだし…僕のお葬…式は全く人が泣かない葬式に…なりそうだ…ははは…」 自分以外は笑えないブラックジョークを言った老人は急に息苦しそうにし、やがて息をしなくなった。 享年86歳
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