あやかしの月の夜に

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獲物を狙う肉食獣のようにギラギラとした欲望を隠さない無数の男たちに囲まれながら、女二人は余裕綽々と会話をする。 一瞬でも気を抜けば、後に待っているのは地獄――女としての地獄が口を開けて待っているのに。 普通の女ならば――否、力の弱い魔女ならば。 竦み上がるようなその空気を二人ともモノともしていない。 「ああ、もう!! おにぎりは帰って来いってうるさいし、魔族どもはヤらせろうるさいし!!」 「慶ちゃんはともかく、がっついた若い魔族がこんだけ居るとさ、魔界の政治家ども、なんとかしろよって言いたくなるって言うか、少子化対策うまく行ってないんじゃないの? これ?」 「よし!! マチ子!! 魔族どもにヤられて来い!!」 「なんでやねん!!」 「そしたら、アタシは帰れる!! あいつらんとこに行って、いやぁんって言いながらヤられて来い!!」 「イヤじゃ」 「マチ子!! お手!! おすわり!! よし!! 行って来い!!」 「誰が行くかいな」
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