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そこにある少々古風な造りをしたデスクで、リリーナが鬼のような形相で仕事に追われている――
はずだった。
いつもはひーひー言いながら、「もうダメ、死んじゃう。助けてよ夜宵君」とか言ってたはずなのに……。
「何でアフタヌーンティーにゆったりと浸ってるわけ?」
「……何さ、私が優雅に紅茶飲んでたらダメだの?」
「いや、ダメじゃないが…。あ、スコーン貰うぞ」
返事を聞かずに取ったスコーンを、素早く口の中に放り込む。
「ん、美味いな」
「勝手に取らないでよね…あ、紅茶いる?」
“おイお前ラ……何呑気にシてんだヨ。異世界行くンじゃなかったノカ?”
……あぁ、忘れてたわ。
「ん?修行はもう終わったのかい?」
“バッチリだ。多分、リリーナじャ傷もつけランぇーぞ?”
「ふぅん……流石私の最高傑作。基礎スペックが高いね」
「まぁ…そういうことだ」
“スペックを引き出す奴にもよるガナ。そういう意味でハ夜宵は最高だゼ?”
「そうかい、それは良かったよ。じゃあサッサと異世界に送っちゃいますか」
「いや一人で行け――――」
「問答無用だよ。バイバーイ」
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