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視点を女から下に移す。
……おかしいな、いつもは見える足が見えないよ。
今度は手を見てみようとするが、
まず前提として手が見えかった。
「あー、身体を確認しようとしても無駄だよ。消えちゃってるし」
……やっぱり、本当に死んだのか?
「せーかいっ!やっと信じてくれたねぇ」
女は着ていた服の胸ポケットから、一枚のカードを取り出し俺に見せた。
「第零特級神、リリーナだよ。よろしくねっ!」
そのときばかりは、俺にはそいつの顔が悪魔みたいに見えた。
「さて、と。何から答えてほしい?君の疑問はとりあえず全部答えられると思うよ」
非常に困惑していた。
いきなり死んだと言われても、そんな実感が沸くはずがないだろう。
俺はついさっきまで普通の学生だったのだ。
しかし、疑問は解消せざるを得まい。
これからどうするのか、そんなこともまだわかってはいないのだから。
……とりあえず、何で俺が死んだかを教えてくれ。
「わかったよー、それじゃこれを見て」
リリーナが空中に手を翳すと、そこにディスプレイみたいなものが浮かび上がった。
そして、そこにはある光景が映されていた。
それは―――
「死因は…まぁ、通り魔に包丁で刺されたことだね。後ろから無防備なところを刺されたんだ。即死だよ」
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