第一話【非常識的な転生】

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「……近ぇよ」 「あ、無事に身体に入ってるね。良かった良かった」 ん?…あぁ、確かに声が…。 「ってか服は?」 俺が見たときは着てなかったはずの、丈が太ももまである黒のコートに灰色のズボン。 編み上げの黒色のタクティクスブーツに、青のインナーという出で立ちをしていた。 「あぁ、さっきパパッと着せちゃったよ。裸じゃ困るでしょ?」 「そりゃそうだが…ん?」 そのとき、視界の端に妙なモノが映った。 そちらに視線を向け、それをマジマジと見てみる。 それは、刀だった。 流麗に緩く反り返った闇色の刃に、刃に平行に填められた平べったい鍔。 紅く装飾が施された柄と、横には申し訳程度に金で飾られている鞘が置かれている。 「……何コレ」 「え?君もわからないの?いつの間にか置いてあったんだけど…」 「いや知ら―――」 「知らない」 そう言いかけたとき、先ほどの出来事を思い出す。 あの、妙にノイズのかかった声。 変な部屋で聞こえた謎の声を。 “正解ダ。アン時言ったろうガ、契約完了ッテ” 「…月紅って言ったか?」 声は刀から聞こえた。 俺は闇色の刀を手に取る。
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