初恋

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面倒くせぇけど、仕方ねぇから… 首にぶら下がってたネクタイで止血。 「あの、ネクタイが…汚れますよ?」 そんな事どうでもいだろうが。 気使ってる余裕ねぇだろ。 棒立ちの店員もそうだけど… 「アンタも、ぼーっと突っ立ってねぇで、救急車、呼んでくれよ!」 「あっ!!はい!!」 やっと、動き出した店員。 はっきり言って、呆れる。 「とりあえず、座れ。」 「救急車なんて、私…大した事ないですから…」 「大した事あるだろうが。貧血起こすぞ。 とりあえず座れ。」 きつめに言ったからか、大人しく、言う事を聞いて、椅子に座った。 「おい!包帯と、消毒!!買ってきたぞ!」 こういう時、一番気が回るのが、颯斗。 「誰か、お医者さんとかいませんか?」 声を張って、助けを求める、翔太。 これを、いつも、俺はぼーっと見てるだけだった。なのに、今の俺は、颯斗から、消毒液を受け取り、『痛いだろうけど堪えろ』って言いながら、消毒。 見れば、結構な傷口。 やっぱ、全然大丈夫じゃねぇじゃんかよ。
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