初恋

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少しだけ間が空いて… すっと何かに吸い込まれる様な、フワッとした柔らかい空気に包まれた。 春より暖かくて、夏の様に暑くはない筈なのに、どうしてなのか、顔が暑くなり、胸はざわついた。 そんな雰囲気の中。 君は綺麗に笑った。 今まで見た、どんな笑顔より綺麗に。 そもそも、笑顔に綺麗って合ってるのかは分からないけど、今の、この子の笑顔には、その言葉が一番似合う。 「ありがとうございました。」 腰を折りながら、頭を下げて。 また、顔を上げて、俺にその笑みを見せる。 「和毅!!救急車来たぞ!!」 颯斗のその声に、やっと我に返った俺は、辿り着いた隊員の人等に、ある程度の状況説明をした。 で、そのまま、その子が、連れられて行く後ろ姿を見てた。 ただ、それだけの出来事。 そう。お節介を焼き、手当しただけの事。 だから、何となく、その後が気になるだけ。 ただ、それだけ。
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