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「だいぶ上達しましたでしょう?」
「いや、まだうまく乗れなくて……。それよりそこのトラック――」
「それじゃ練習を手伝いますよ。そうすれば、早く乗れるようになりますよ」
「いや、しかし……」
田仲正義は、ガニガニ・9・ボーテにしゃべらさなかった。トラックに近づこうとさせない態度がしらじらしかったが、かといってガニガニ・9・ボーテもトラックを調べたい理由を説明するわけにいかない。
「ここの駐車場は、クルマが来て危ないですから、河川敷へ移動しませんか? そうだ、そのほうが絶対にいい。さあさ、行きましょう行きましょう」
強引にうながされて、ガニガニ・9・ボーテは後ろ髪を引かれる気持ちで駐車場を後にした。
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