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ルケルケ・7・トーは、装置が仕事を終えるのを待っていた。
もうすぐ2時間が経過する。
窓の外は薄暗くなっており、すでに陽は沈んでいた。じりじりしながら待っていると――。
チーン。
500円硬貨形の装置が作業完了を告げ、ぼんやりとした点滅をやめた。
が、そのとき、玄関ドアのサムターンが回る、ガチャンという音がした。
部屋の主、茶藤千雪が帰ってきたのだ。
ルケルケ・7・トーはあわててリビングから隣室に移動した。
茶藤千雪は誰かが部屋にいるとは思ってもみない。
リビング横のキッチンにレジ袋を置くと、ソファにバッグを放り投げ、カーペットの上でごろりと横になった。
「はー、疲れた」
とつぶやいたきり、そのまま動かない。
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