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まずいなぁ、とルケルケ・7・トーは隣室の壁に耳をあてて気配をさぐる。
玄関から外へ出るには、どうしてもリビングを通らないといけない。茶藤千雪がリビングにいる限り脱出は不可能だ。
待つしかなかった。しかしこの部屋へ入って来られては一巻の終わりだ。まさしく息すらできない緊張状態である。
茶藤千雪は立ち上がった。いつまでもひっくり返ってはいられない。手を洗ってうがいをするため、洗面所へ移動した。
水の流れる音を耳にして、ルケルケ・7・トーはそっとドアを開けた。今のうちに玄関ドアから出ようとした。
が、間に合わなかった。茶藤千雪はリビングに戻ってきた。
ルケルケ・7・トーはあわててきびすを返すと、ベランダに出た。
もはやこれまで。思い切ってベランダから身を投げた。
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