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永く赴任しなければならないから置いていくわけにもいかず、やむ得なしに連れてきたその生物は二次元空間に住む異形の存在だった。
ちなみに名前はタローという。以前は違う名前だったが、地球へ連れてくるにあたり地球名にした。べつにそこまでする必要はないのだが、こだわる宇宙人であった。
よそへ行かないように次元振動柵で囲っていたが、その電池が切れていたことに気づかず、一時期、行方不明になったことがあった。
ルケルケ・7・トーはあせったが、すぐに戻ってきたところをみると、たぶん、地球の環境に合わなかったのだろう、と思った。だから、増殖などしてない、と――。
だが、一応、確認すべきだろうと思い直したところだった。もしも、という可能性はある。
ガニガニ・9・ボーテが気にして調べ、もし増殖しているのが見つかったりしたら、ベランダから突き落とすではすまないかもしれない。ガニガニ・9・ボーテの怒りを想像して、ルケルケ・7・トーはやはり調べるべきだと結論した。
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