第7話 憧れを追いかけて…

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. 「琴も、彼に話したいことがあるんじゃないの? だから、ここに来たかったんだろ?」 「……。」 「パパは向かいのカフェにいるから、終わったらおいで。それから、一ノ瀬さんに迷惑かけないようにね。」 「……うん。」 パパはまるで、わたしの気持ちを知ってくれているように、そう言った。 その気遣いに乗せられて、わたしとコウちゃんは困ったように視線を合わせる。 「……ここは人目に付くから、店の裏で話そうか。」 「うん……。」 すると、コウちゃんは中の人に何かを告げて、帽子とサロンと外して、わたしを店の裏に連れて行った。 昨日と同じように、優しく手を握りしめながら。 日陰になっていた段差の上に、肩を並べて座る。 キスしたときと同じ距離感に、胸が勝手にドキドキし始めてしまう。 期待しているわけじゃないのに……。 「さっき……何、言いかけたの?」 そう問いかけてくる口調は、心を包み込んでくれるみたいに温かい。 前もって連絡もせずに来てしまったことを、少しは咎められると思ったのに。 コウちゃんはただ、わたしの手を優しく握ってくれているだけだ。 .
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