第1話 お菓子な君に恋をした

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第1話 お菓子な君に恋をした

. 『honey garden*』 それは俺の父さんが始めた洋菓子屋の名前だ。 俺がまだ小学生くらいの頃、この店が出来た時は、物珍しさからか多くのお客さんで賑わっていた。 15年くらい前の記憶。 そして今は……少し年季の入った、ちょっとセンスのない外観の小さなお店。 昔からの常連さんもいるけれど、客足は年々減っていく一方。 近くのショッピングモールに、お洒落な洋菓子屋が沢山入っているからだ。 そして2年前、腰を悪くした父さんが引退をして。 当時、製菓学校を卒業したばかりの俺が、この店の暖簾を引き継ぐことになった。 あれから2年。 店の景気は良くなることもないまま、俺は毎日必死になりながらケーキを焼いていた。 そう……。 あの日、君に出逢うまでは。 .
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