第4話 すれちがう恋と、夢

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. そんな言葉、反則だろ……。 しかも、こんなシチュエーションで。 部屋の中でふたりきり、家には他に誰もいない。 目の前には、無防備でいる大好きな女の子。 俺だってまだ22歳の普通の男なんだから、この状況で我慢できるほど大人ではない。 小さなテーブル越しにある、ぷっくりと可愛らしいサクランボのような、ピンク色の唇。 ここで俺が行動を起こせば、前に進む起爆剤になるだろうか。 その長い睫毛も、チワワのように可愛い奥二重の目も。 すぐに赤く染まるリンゴみたいな頬も小さな鼻も、ふたつに結ばれた、少し茶色がかった長い髪も。 全部、俺のものにしてしまいたい。 他の男なんかには渡したくない。 触れたい……。 でも、触れられないのは……臆病な性分のせい。 「コウちゃん……どうか、したの?」 「……ううん、何でもない。」 世の中には、簡単に女の子に手を出す男も沢山いるけれど。 俺にはできない。 本当に好きだから、壊せない関係。 あと一歩の勇気が踏み出せない。 この恋にも、目の前に差し出された大きな夢にも。 でも、決断は迫られている。 フランソワの話は、今週中には返事をしないといけないのだから。 .
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