第4話 すれちがう恋と、夢

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. こうして、俺にはあと1日の猶予が与えられた。 しかしながら、心はもう決まりかけている。 ずっと躊躇っていたけれど、一度そう心に決めてしまえば、意外と気持ちが楽になったりもした。 店に戻ると、余っていたケーキは、そのまま家のほうの冷蔵庫に保管されていた。 どうやら琴ちゃんは、今日は持って帰らなかったようだ。 10個ほど余っていた中から、梅の好きそうなものを2つ選んだ。 「はい、モンブランとショート。今日までのだから早めに食べろよ。」 店の外で待っていた梅に箱を渡すと、彼女は嬉しそうに頬を綻ばせる。 女の子が店先でよく、ケーキの飾られたショーケースを幸せそうに見つめているような顔だ。 「サンキュ。私の好きなケーキばっかじゃん。」 「そう思ったから、そのふたつを選んできたんだよ。」 「ふっ……」 「何がおかしいんだよ。」 気を利かせたつもりが、笑われるなんて思わなかったから、あまり良い気分ではないけれど。 彼女には彼女の、それなりの理由があった。 俺も納得してしまう程の。 「だって私たち、付き合っている頃よりも今のほうが、よっぽどいい関係なんじゃないかって思ってさ。」 .
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