第4話 すれちがう恋と、夢

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. うん……。 それはきっと、琴ちゃんのお蔭なんだよ。 彼女の笑顔が、俺の心をいつも温かくしてくれているから。 しかしながら、そんなキザすぎる本音を言えるはずもなく、いつものように話をはぐらかそうとする……が。 「あ……。」 梅が何かに気づいたかのように、目を大きく見開ける。 俺も振り向いて目を凝らすと、そこには琴ちゃんの姿があった。 「明日……悔いのない返事、ちょうだいね。」 まさかのタイミングの悪さに、梅は気を利かせるかのように、その言葉だけを残して足早に去っていった。 琴ちゃんとすれ違う時には、小さく御辞儀をして。 あっという間に、ふたりきりになってしまった俺たち。 「こんなところで、どうしたの?」 「あ……えっと、忘れ物したから引き返してきたの。」 「忘れ物?」 「その、ケーキ……おじさんが置いてくれていたの、おうちの冷蔵庫の中に忘れちゃって。」 どうやらあのケーキは、琴ちゃんが持って帰るのを忘れてしまった分のようだ。 2つだけ梅にあげてしまったことを伝えようとするが、先に口を開いたのは琴ちゃんだった。 .
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