第4話 すれちがう恋と、夢

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. それが、いちばん良い選択だと思った。 不安要素なら、数えきれないくらいにあるけれど。 きっと、行かないと一生後悔をする。 何かに躓くたびに、自分の選んだ道を悔やんで、自己嫌悪に陥ってしまう。 「パティシエとして、もっと成長したいんだ。」 「……。」 「それで学んできたことを、この店で生かしていきたいって思う。」 自分の意思を、初めて口にした。 その相手が琴ちゃんで良かった。 いちばん大切にしたい人に、いちばん最初に伝えられて良かった……と、思っていたのに。 「……そうだね、その方が……コウちゃんのためだもん。」 「琴ちゃん……?」 その声は、少し震えている。 何かを堪えているような、悲痛な響きのようにも感じられる。 俺へ向けられる視線は、どう捉えても好意的なものだとは思えなかった。 「でも、行かないって言ったのに……。」 「……。」 「……パリでもどこでも、勝手に行っちゃえばいいじゃん。」 「え……?」 彼女らしくない、突き放した言葉。 いつもみたく笑顔で応援してくれると思ったのに。 .
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