第5話 つながる未来へ約束を

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. 「あの……琴ちゃん……」 閉店後、後片付けをしている琴ちゃんに、背後から話しかけてみる。 すると、手は止めてくれるものの、こっちを見ようとはしてくれなかった。 「何……?」 「いや、別に用はないんだけど……。」 「……。」 俺が何も言えないでいると、彼女は作業を再開する。 その様子をじっと見つめていると、ふと一瞬だけ上がった視線がこっちを見た。 気まずそうに目を逸らされる。 「……どうして、こっち向いてくれないの?」 「……。」 「俺のこと……応援、してくれないの?」 何もかもが順調に進んでいく日々。 琴ちゃんのことだけが、ずっと気がかりだった。 夢を叶えられるという高揚感と共に、琴ちゃんとの距離が遠ざかっていく現実に戸惑う。 今までの琴ちゃんの笑顔に、挫折しかけた心は何度も救われたけれど。 この先もずっと変わらずに笑いかけていて欲しいなんて、虫が良すぎる話だろうか。 俺の言葉に、唇を噛みしめていた彼女が漸く口を開いた。 「だって……あの人に、言われたからなんでしょ?」 「え……?」 .
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