第5話 つながる未来へ約束を

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. 頭に残っていた単語を掻き集め、何とか辻褄を合わせていると、帰る支度を終えた琴ちゃんが笑顔で挨拶してきた。 いや……その笑顔も正式には、母さんに向けられたものだ。 「お疲れ様でした。来週からは、いつもどおり宜しくお願いします!」 「はいはい、気を付けて帰ってねー。お疲れ様。」 店を去っていく小さな影が見えなくなるまで、俺は視線を追った。 すると、同じように彼女を見送っていた母さんが、不意に話しかけてくる。 「あんた……琴ちゃんに、感謝しなさいよ?」 「え?」 「うちにね、あんたの代わりに新しい人を探してきてくれたの……琴ちゃんなのよ。」 「……。」 初めは、母さんが何を言っているのか、意味が分からなかった。 ついさっき琴ちゃんは、俺がパリに行くことを応援できないと言った。 それなのに彼女が、そんな真似をするだろうか……? そんな小さな矛盾は、母さんから告げられた真実によって全て覆される。 「あなたが初めてパリ行きの話をしてくれた日から、心置きなく行けるようにって、琴ちゃんなりに凄く考えてくれていたみたいで。」 「え……?」 .
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