第5話 つながる未来へ約束を

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. この時間なら、まだ学校かもしれないな……。 そう思いながら、俺は深呼吸を2回してから通話ボタンを押した。 呼び出しコール3回で、電話は相手へと繋がった。 「もっ……しもし?」 いつもより上擦った声。 息を切らしながら話す、琴ちゃんの姿が目に浮かぶ。 「あの……俺、だけど……」 「……。」 ディスプレイには俺の名前が出ているはずだ。 そう思って「俺」だなんて馴れ馴れしく名乗ってしまったけれど、彼女が画面を確認せずに電話に出たのであれば、これは怪しげな男からの『オレオレ詐欺風』になってしまうと思い、急いで訂正した。 「あ、えっと……一ノ瀬、です。」 「……コウちゃん?」 どうやら、誤解されずに済んだようだ。 俺の名前を口にした、彼女の柔らかい声が響く。 「今、まだ学校……?」 「あ、うん。友達と残って勉強していたの。」 「そっか……。」 本当は今すぐにでも会いに行きたかったけれど、それじゃあ駄目だな。 試験勉強で忙しい彼女の邪魔はできない。 すると彼女は、心配するような様子で訊いてくる。 「もしかして今日、バイトの日だったっけ?」 .
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