第5話 つながる未来へ約束を

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. 「え、どうして?」 「だって……コウちゃんが電話してくるなんて、初めてだったから。」 「……。」 どうやら、俺からの突然の電話を怪訝に思っているのは、琴ちゃんも同じのようだ。 確かに、俺から彼女にコンタクトを取ったのは、これが初めての試みだ。 もしかしたら、最初で最後になるかもしれないという可能性もあるが。 ネカティブでマイナス思考になりがちな自分を、掻き消すかのように目を閉じて頭を左右に振った。 「今日は水曜日だから、店は休みだよ。」 「あ……そっか! だったら……」 「琴ちゃんに、渡したいものがあるんだ!!」 自分の声が、いつもより緊張して震えたのに気づく。 彼女を目の前にしていたら、もっと恥ずかしくて仕方なかっただろうから、これが電話越しで良かったと心底思った。 「……渡したい、もの?」 「そう。だから……琴ちゃんが学校から帰ってからでいいから、少し会えないかな。」 「でも……遅くなるから、今度のバイトのときじゃダメかな?」 そう言われるのも無理はない。 想定内のセリフを、いつもなら相手に合わせて受け容れるけれど、今日だけはそういうわけにもいかない。 .
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