第5話 つながる未来へ約束を

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. 「……今日、渡したい。」 「え……?」 「迷惑じゃなければ、琴ちゃんの家の近くまで行くから。」 ここまで強引に頼み込むが、彼女にとっては充分迷惑な行為なのかもしれないのに。 何としても彼女に会いたい気持ちが、俺を諦めさせなかった。 「……迷惑なんかじゃ、ないよ……。」 「えっ?」 「夜御飯、食べてからでもいい……? 多分、20時くらいになるけれど。」 「も、勿論!」 琴ちゃんがどんな顔をしながら、そう言ってくれたのかなんて分からないけれど。 その口調から、嫌々とか渋々とか、仕方なく承諾したような感じはなかった。 俺が都合のいいように捉えすぎているのかもしれないが。 「じゃあ……20時くらいに、行くから。」 口頭で、自宅までの道のりを簡単に説明してもらった。 彼女の家の近くに大きな公園があるようで、そこで待ち合わせることになった。 約束を取り付けて電話を切ると、重く圧し掛かっていた肩の荷が急に下りたような気がした。 自分で思っていた以上に、緊張していたことを痛切に感じた。 .
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