第5話 つながる未来へ約束を

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. 慣れない運転に、慣れない首都高の乗継。 いつも以上に無口になり、ハンドルを握ることに集中した。 しかし琴ちゃんは、つまらなそうにする様子もなく、FMラジオから聞こえてくる今流行のヒットチャートの曲を、楽しそうに鼻歌で歌っていた。 帰宅ラッシュの時間帯は既に過ぎていたので、安全運転をしながらでも、目的地までは40分ほどで着いた。 俺が彼女を連れてきたのはベタながらに、レインボーブリッジの見渡せるお台場の夜景スポットだった。 辺りは勿論のことながら、ふたりの世界に入り込んでいるカップルの姿が多々ある。 「うわぁ……夜に来たの、初めてなの!」 「あ、そうなんだ。」 海からの風で相当冷え込んでいるのに、琴ちゃんのテンションは完全に上がりきっている。 つい数時間前までの気まずさなんか、とっくに忘れてしまっている感じだった。 「こういう夜景って……デートで来てみたかったんだぁ。」 その言葉に、琴ちゃんの小さな憧れを叶えたのが自分だったことに、申し訳ない気持ちになる。 本当はもっと彼女に相応しい相手が、ここに連れてきてあげるべきだったのに。 .
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