第5話 つながる未来へ約束を

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. 笑った顔は最高に可愛い。 けれども、泣いた顔は最高に愛しい。 それが俺だけに向けられているものならば、余計にそう思える。 俺の服をぎゅっと力いっぱいに握りしめながら、溢れそうな涙をぐっと我慢して、鼻を啜りながら言葉に詰まりながらも、一生懸命に気持ちを話してくれた。 「あたし……コウちゃんに、カノジョがいたって聞いて……すごくショックだったの……」 「……正確には、昔の彼女だけどね。」 「でも……あの人は、あたしの知らないコウちゃんを、いっぱい知っているんだなって……そう思ったら、悲しくて仕方なかった。」 「……。」 「だから……あの人と楽しそうにしていたコウちゃんに……あたったの……。」 まあ、久しぶりに話して楽しかったと言えば、楽しかったけれど。 それ以上の感情はない。 あくまで、昔の友達に会ったような感覚に近い。 「……勝手に行っちゃえなんて……酷いこと言って、ゴメンナサイ……」 そこまで言い切ると、まるで小さい子が泣き喚くように、大きな声を上げて泣き始めた。 すぐ近くに人がいなかったことだけが救いだ。 周りからしてみれば、俺が彼女を泣かしたかのように見える図だから。 まあ、多少はそうなのだけれど……。 .
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