第5話 つながる未来へ約束を

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. 「それが『渡したかったもの』だよ。琴ちゃんに食べて欲しくて作ったんだ。」 「これって、もしかして……。」 「受け取ってくれないかな。俺の……気持ちだから。」 「……。」 信号が青に変わり、前の車が走り始める。 彼女の反応が気になるけれど、今は運転に集中だ。 そう心に決めて正面を向いていると、隣からは鼻を啜るような音が聞こえてきた。 一瞬だけ、横目でちらりと確認してみると、またボロボロと涙を零し始める琴ちゃん。 「さっきから、泣いてばっかりじゃん……」 そこまで泣かれてしまうと、水分不足にならないだろうかと心配になる。 そんな俺の不安をよそに、彼女はかすれるような声で小さく呟いた。 「だって私も……コウちゃんのこと、好きだもん……」 「……。」 「こんな気持ち……初めてだもん……。」 「……うん。俺も……初めてだよ。」 俺がそう言うと、君はいつも頬を赤く染めながら、幸せそうに笑ってくれる。 だから、何度だって伝えるよ。 君のその笑顔が見られるのなら、何度だって。 これからも、同じ未来を見ていたいから。 ずっと、ふたりで一緒に……。 .
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