第6話 甘い運命のイタズラ

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第6話 甘い運命のイタズラ

. 小さい頃から、甘いものが大好きだった。 見ているだけでも幸せな気持ちになれるし、口にすればその幸せは何倍にも広がる。 周りの友達は、好きな人との恋愛話や、どこのクラスの誰が格好良いかで盛り上がっているけれど。 わたしはそれよりも、毎週のコンビニの新発売スイーツのほうが興味津々だ。 あ、今日は火曜日だから……帰りに寄って帰ろうっと。 そんなことを考えていると、幼稚園からの親友『えみか』こと楢橋恵美香が、血相を変えながらやってくる。 「琴羽! あんた、狩谷先輩からの告白断ったって本当!?」 「え……あ、うん。だって……知らない人だったし。」 「あの狩谷先輩だよ!? あんた馬鹿じゃないの、何考えているわけ!?」 新商品のスイーツのこと……なんて言ったら、えみかの逆鱗に触れるに違いない。 昨日もそれで喧嘩をしたところだ。 今まで何度も同じ経験を繰り返してきたので、そろそろ学習能力もついてくる。 「だったら、えみかが付き合えばいいじゃん。」 「付き合えるものなら、付き合いたいっつーの! って、まだ1限目終わったところなのに、早弁するなっ!!」 「だって、お腹空いたもん……」 .
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