第7話 憧れを追いかけて…

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. 「これって……」 確認する必要なんてない。 このケーキを作れるのは、この世でたった1人しかいないのだから。 その姿をわたしは、いつも近くで見てきたのだから。 「……『koto』に『羽』で琴羽だな。」 「え……?」 「パパは折角だから、このkotoにしようかな。琴はどうする?」 「わ、わたしも!!」 注文を終えると、パパとわたしは喫茶スペースへと移動した。 暫くして店の奥から運ばれてきたのは、照明の光で宝石のように輝きを放つ、コウちゃんのケーキ。 「このケーキ、琴みたいだね。」 「え……?」 「小さくて可愛くて、キラキラしているところ。」 「……。」 これはきっと、コウちゃんの想いそのもの。 ずっと離れていたのに、いつもわたしのことを考えてくれている証。 「……美味しいな。ママにも、食べさせてやりたかったな。」 「……そうだね。」 口いっぱいに広がる甘さを、ゆっくりと時間をかけながら味わった。 彼の底知れぬ愛情を噛みしめながら。 .
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